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2024.4.22
製造業における精密機械やロボットの活用が進む中、高い技術を備えたフィールドエンジニアが必要とされるシーンが増えています。います。この記事では、フィールドエンジニアの「スキル管理」について、基本的な運用方法とポイントについて解説していきます。
フィールドエンジニアとは、自社の製品を購入した顧客先に出向き、現場(=フィールド)で直接的なサービスを提供するエンジニアのことを指します。「サービスエンジニア」ともいいます。製品を納入したときの説明・運用サポートや、保守点検などのメンテナンス、修理や交換、復旧作業などを担う職種です。
フィールドエンジニアに必要とされる主なスキル・知識には、以下のようなものがあります。
顧客が求めることを把握し、臨機応変な対応をする必要があります。
製品の納品や修理・検査などをするのに必要な自社製品に関する知識の他、トラブル時の原因究明や対策を含め、的確な対応をするための技術力が必要です。
特定の物理的な危険や、化学物質などによる危害など、作業時にリスクが伴うこともあるため、労働安全衛生法をはじめとする法律で定められたに関する知識、専門資格が必要な場合があります。
フィールドエンジニアがどんな知識やスキルを保有しているかについて、企業は適切なスキル管理を行わなければなりません。
まず大前提として、顧客に納品している自社製品について、どの従業員が適切に対応できるのかを把握する必要があります。例えば同じ製品の「定期検査」でも、型番が異なると工程が変わるケースがあります。そのため企業としては、どの従業員がどの製品の、どの工程に対応できるか、細かく管理しなければならないのです。
また徹底したスキル管理を行うことによって、従業員の配置・配属や採用、人材育成などに活用することも可能です。
従業員一人ひとりが持つスキルが可視化されると、組織全体の状況も明確になります。その情報を元に、顧客からの要求に適切に応じられる人材の配置・配属を行うほか、不足しているスキル、これから強化していきたいスキルなどを明らかにして、採用活動や人材育成に活かすことができます。
しかしフィールドエンジニアのスキル管理を行うにあたり、その方法に苦慮している企業も多いのではないでしょうか。よく聞く悩みとしては、以下の2点が挙げられます。
フィールドエンジニアに必要とされる知識やスキルを体系化するにあたり、階層や項目の設定に困っているケースが多々あります。
スキル体系を作成したものの、現場での運用がなかなか定着しない、という悩みを抱えている企業も多く見受けられます。
このようなスキル管理の課題をどのように解消していけばよいのか、次のセクションで詳しく解説していきます。
フィールドエンジニアには、納入した自社製品を顧客先で適切に取り扱うスキルが求められます。スキル管理を取り入れている企業の多くは、個々の製品ごとにその取り扱いができる従業員を見える化して、それをもとに人材の配置や配属を行っています。
その前提に立ったうえで、フィールドエンジニアのスキル管理をに行うときに抑えておきたいポイントをご紹介します。
まず、スキル体系を整理する方法について説明していきます。顧客先に誰を配置するかは、従業員がどの製品を取り扱うことができるか、保有スキルをもとに判断します。そのためスキル体系は、以下のポイントに従って整理をすると、配置配属を検討する際に必要な情報をすぐに見つけることができます。
①スキル体系の最上位の階層には、製品または製品カテゴリーを置く
②2階層目以降は、製品の据付・修理・保守メンテナンス等のシーンや、工程を置く
具体例を見てみましょう。以下の図のように、最上位の階層には製品名を置いています。2階層目には、「点検」、3階層目には「定期点検」と記載し、製品を取り扱うシーンを示しています。こうすることで「AK0082製品の定期点検におけるスキル」がすぐに把握できます。
次に、スキル項目の設定方法について説明します。一般的に、スキルを洗い出す際に必要な項目としては、「基礎知識」「業務スキル」「資格」があります。業種や職種によっては、実務経験がスキルとして重要な要素と考えられる場合もあり、「業務経験」を項目に含める場合もあります。
フィールドエンジニアにおいても、上記の要素を、スキル体系に沿って洗い出すことが基本的な設定方法です。
それでは、フィールドエンジニアにおける、「基礎知識」「業務スキル」「資格」とはどのようなものを指すのでしょうか。簡単な例と合わせて見ていきましょう。
基礎知識は、製品を取り扱うための知識や、日常的に使用する工具などの使い方を指します。「納入している製品の特長を説明できるか」「○○のメーターを読めるか」などが含まれます。
業務スキルは、実際に製品を操作するために必要な技術的なスキルを指します。例えば「点灯管の交換が行える」「○○の調整が行える」などが該当します。
資格は、その製品を取り扱うための免許や特別教育、発注側から求められる認証資格、自社で独自に定めている自社資格などを指します。「フルハーネス型墜落制止用器具取扱特別教育」や「通門証」なども資格として管理されていることがあります。
スキル体系とスキル項目が整理できれば、スキルの洗い出しは一般的な方法と変わりはありません。スキル体系の階層で定めた業務フローや工程に沿って、必要な「基礎知識」「業務スキル」「資格」を洗い出していきましょう。
次に、スキルの達成度を判定するためのスキルレベルを決めます。スキルレベルの決め方は、フィールドエンジニアという職種に限らず、企業が独自に定めている場合がほとんどです。レベル表記やその定義など、基本的な情報は以下の記事で解説をしているので、参考にしてみてください。
参考記事:【テンプレートあり】スキルマップの作り方【スキル体系・評価基準・項目例】
スキル管理を行うプロセスでは、スキルの登録更新や確認など、細かい作業が発生します。はじめから全社で完璧な運用を行うのは、簡単なことではありません。まずは以下の基本的なポイントを抑えて運用を始め、修正を加えながら、自社に合ったスキル管理の運用方法を確立していくことをおすすめします。
①スキル管理の目的や、その先にあるゴールを共有する
②スキルアップが達成できたとき、共有・評価する場を作る
スキル管理は、細かい確認や作業が伴う場合も多いため、現場の従業員が納得感を持って取り組んでいる状態を作ることが大切です。そのためにはスキル管理を行う目的や、その先にあるゴール、目標を共有し続ける必要があります。
例えば「全国どこでも同じ品質を提供できるよう技術者の育成を強化する」、「技術者本人が将来どのようなスキルを積み上げればよいかの指針とし、キャリア形成に活用する」など、目的は企業によってさまざまな内容が考えられます。
個々の従業員がスキルアップしたとき、その成果を共有したり、評価を受けたりする場を作ることも大切です。従業員は、自身の取り組みが第三者から認められることによって、成長をより強く実感することができます。それが、業務に対するモチベーションの向上にもつながるでしょう.
今回は、フィールドエンジニアのスキル管理についてのポイントをご紹介しました。自社に合った管理方法を確立し、その運用を定着させるまでのハードルは決して低くありませんが、スキル管理を行うことで、企業が得られるメリットも非常に大きいものです。まずは自社に必要なスキル体系の整理から、着手してみてください。
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