経営と現場の”スキル”を共通言語化、製造業の戦略人事を支援する『スキルデータプラットフォーム』の開発に着手

シチズン時計・住友重機械工業と共同開発、2026年7月の本格リリースを目指す

 株式会社Skillnote(本社:東京都千代田区、代表取締役:山川隆史、以下「当社」)は、製造業が「スキル」を軸に戦略人事を実現するためのデータ基盤『スキルデータプラットフォーム』の開発に着手します。従業員の技術/技能や経験などを誰もが活用できるスキルデータに変換することで、経営や人事の人材ポートフォリオ最適化、人材育成などを後押しします。また、シチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市、社長:大治 良高、以下「シチズン時計」)および住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下村真司、以下「住友重機械工業」)を開発パートナーに迎え、2026年夏のリリースに向けて機能実装や検証を進めてまいります。

(スキルデータプラットフォームの概要)

 当社は、製造業に特化したクラウド型スキルマネジメントシステム『Skillnote』を提供し、従業員のスキル・資格・教育記録の一元管理、スキルの可視化や育成計画の立案、配置検討などを支援してまいりました。現在では、200社を超える製造業の生産部門や技術部門などを中心に、導入が進んでいます。
 『スキルデータプラットフォーム』は、各事業部や拠点ごとで管理しているスキルマネジメントシステム上のスキルデータ、人事システム内にある従業員情報、外部の求人情報などを収集・蓄積し、生成AIによって誰もが使えるスキルデータに変換します。さらに、「人材サーチAI」機能などによって、組織横断による特定スキルや経験を持つ人材の検索が可能になります。現場のスキル情報を全社レベルで共通の言語として統一することで、経営や人事がデータに基づいた根拠のある戦略人事を実現できるよう支援します。

開発パートナー:シチズン時計、住友重機械工業との取組

 各社と共同で、各社が持つスキルデータを活用しながら機能開発、検証を実施してまいります。
(1)2025年9月 :プロトタイプ構築
(2)2025年10月:スキルデータの流し込み、機能強化
(3)2025年12月:ベータ版の検証開始

開発背景:製造業特有のスキルデータの活用における課題 

 現在の製造業は、急速な技術革新と深刻な労働力不足という二重の課題に直面しています。人材の流動性向上により採用競争が激化し、若手人材の早期離職も深刻化しています。こうした背景から、競争優位の源泉である技術力に直結する高度な専門スキルの管理やスキルデータの戦略的活用の重要性が高まっています。
 しかし、組織を横断した現状のスキル管理には構造的な課題が存在しています。事業領域や製品特性により必要なスキルが異なるため、各事業部・拠点が独自の管理体制を構築し、縦割り構造が形成されています。事業部ごとにスキル定義や評価基準が異なるため、全社レベルでの一元的なスキル管理・データ統合が困難な状況です。さらに経営層、人事部門、製造現場、技術部門それぞれが求めるスキル管理の目的や活用方法が異なり、合意形成に多大な労力を要しています。これらの課題により、全社的な視点での戦略立案を担う経営層・人事部門と現場部門との間で共通言語がなく、適切な現状把握が困難となっています。この状況が継続すれば、製造業の競争力の根幹である技術力の正確な把握や、技術レベルを考慮した戦略的人材マネジメントの実現が困難となり、企業の持続的成長に重大な影響を与える可能性があります。
 今回、経営・人事と事業部門をつなぐ共通言語としてスキルデータの活用を促進するプラットフォームを通じて、製造業全体の競争力向上、働く人々のキャリア形成に貢献してまいります。

『スキルデータプラットフォーム』概要

『スキルデータプラットフォーム』は、製造業の事業部における技術や技能、経験を含む膨大なスキルデータを誰もが使える形に自動で変換し、共通言語とするデータ基盤です。

特長

(1)分散したスキルデータの自動収集・統合
社内の事業部や拠点、工場ごとに点在しているスキル情報や社内文書、外部の求人情報などを一元的に収集・蓄積します。
(2)生成AIによるスキルデータの共通言語化
高度で粒度の異なるスキルデータを、生成AIが業種・職種別の辞書と照合しながら標準化し、誰もが使える”共通言語”に変換します。
(3)アプリケーションとの連携
「人材サーチAI」や「スキルポートフォリオ」などのアプリケーションを利用し、組織を横断した育成・配置・評価などの人材施策にスキルデータを活用できます。

開発パートナー コメント

シチズン時計株式会社 人事部 人財開発課 主任 河島 慎 様

当社は、時計で培った小型精密技術を基盤に、個々の専門的なスキルを活かしたものづくりを推進するため、人的資本経営を強化しています。2023年以降、当社のスキル管理の取り組みが、一定の進展に至ったことを踏まえ、個社や事業所の枠を超えたグループ共通のスキルプラットフォームの構築を進めていきます。スキル管理では、「スキルの体系化」、「スキルデータの鮮度管理」、「スキルレベルの判定」等、運用上の課題を抱えてきました。今回の取り組みでは、生成AIをはじめとした新しいテクノロジーを活用し、これまで解決できなかった課題をクリアし、スキル管理の新たな可能性を切り拓いていくことを期待しています。社員一人ひとりが持つ才能を最大限に引き出し、事業戦略と人材戦略の連動に繋げていきます。

住友重機械工業株式会社 人事本部人材育成センター 主管 佐々木 靖彦 様

全社を見渡して特定の技術レベルを持った技術者がどこに何名いるか?と聞かれてもすぐに答えられないのが現状です。今後本格的にセグメント体制に移行するなかで、全社を横通しした人材配置が喫緊の課題です。コンセプトを共通化した力量体系を整備中ですが、力量体系の下の階層はバラバラです。それぞれの事業部門の力量体系を意識しなくても、知りたい人材を全社横断で一発で検索できる機能ができることを期待しています。

スキルマネジメントシステム『Skillnote』について

 「Skillnote」は、製造業において従来Excel等で管理されてきたスキルマップ(力量管理表)を一元的に管理・運用することのできるクラウドサービスです。現場のスキル/教育データがクラウドに登録され見える化が進むことで、スキルデータを活用した計画的な人材育成・人材配置を実現し、技能伝承、多能工育成、即戦力化といったものづくり企業の人材管理に関する課題解決に貢献します。

特長

(1)スキルマップや教育計画・教育記録などを手間なく一元化
製造業において従来Excel等で管理されてきたスキルマップ(力量管理表)を一元的に管理・運用することのできるクラウドサービスです。
(2) スキル管理の効率化を実現
データベース上で、スキルマップ、教育計画、教育記録など連動しており、取得履歴も数クリックで簡単に遡ることが可能
(3)スキルの可視化で、計画的な人材育成や戦略的な配置を支援
製造業に特化したスキル分析機能により、スキルデータの可視化することで技術伝承や多能工化などの計画的な人材育成と、プロジェクトへのアサインや応援対応など戦略的な配置を支援
URL:https://skillnote.jp/
サービス開始:2016年1月

株式会社Skillnotについて

「つくる人が、いきる世界へ」というビジョンのもとに、ものづくりにおける人の成長を科学し、ものづくりに関わる全ての人がいきいきと働く社会の実現を目指しています。
会社名:株式会社Skillnote
所在地:東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE
設立:2016年1月
資本金:9億2,476万円(資本準備金を含む)
代表者:山川 隆史
事業内容:製造業にフォーカスしたスキルマネジメントシステム「Skillnote」の提供
HP:https://skillnote.jp/
*本プレスリリースに記載されている会社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。
*本プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。