- 社名
- 大森機械工業株式会社
- 業種
- 産業用機械製造業
- 従業員数
- 609名(2021年5月期)
- 企業URL
- https://www.omori.co.jp/
- 利用用途
- スキルと教育の一元化
配置配属の効率化
1週間の集計作業は10分の1に。
スキルと教育を紐づけた管理を実現
- 大森機械工業株式会社
- 包装機械業界のリーディングカンパニーである同社は、誰もが目にする身近な食品や医薬品の”包装”を支えてきました。包む製品の形状や特性を考慮し、綿密な調整を行った上で作られる機械には、専門的な知識や技術が生かされています。こうしたスキルの維持や強化をする取組みの一環として「Skillnote」を2015年に導入。今回は導入を主導した品質管理部の原田 耕司さんにお話をうかがいました。
- 導入前の期待
- スキル情報の集計作業にかかる手間や工数の削減
- 人材育成の強化及び社員の配置・配属への情報活用
- 導入後の効果
- スキル情報の集計・資料作りにかかっていた工数が10分の1に減少
- 社員のスキル情報と教育・研修の実施情報、双方を紐づけた管理を実現
次世代を育てる社内経営塾が発足。人材育成が本格的にスタート
ー「Skillnote」を導入いただく前、貴社ではさまざまな業務改革が行われたそうですね。
まずはその背景を教えてください。
原田さん(以下、敬称略):社内で大きな動きがあったのは2008年のことです。社長交代を機に社内の体制や仕組みが見直されることになり、次世代の大森機械工業を担う人材を育成するための「大森経営塾」が生まれました。
各部署より集まったメンバーが話し合った結果、組織として社内の教育体制を構築する必要性があるという結論に達しました。その取り組みに注力するチームとして「教育委員会」が立ち上がり、私はその一員でした。
ー「教育委員会」では、具体的にどのような取組みを行っていたのですか?
原田:当時は、技術やスキルは「先輩の背中を見て覚えるもの」という考え方が色濃く残っていました。教育委員会としてはその属人性をできるだけ排除して、個々人の技術やスキルが、段階的に育つ仕組みを作りたいと考えていました。
まずは個々のスキルを身につけてもらうためにはどのような教育が必要なのかを整理し、教育記録とあわせて正確に残していく。そうすることで社内の教育体制を標準化しようという動きが生まれていたのです。
50以上の部署から1週間かけてスキル情報を収集・精査していた
ー 人材育成に関する取り組みの中で、なぜ、スキルマップのシステムを検討したのでしょうか?
原田:当社は1997年にISOを取得しているため、社内のスキル管理自体は以前から行っていました。ただその方法は紙とエクセルがメインであり、部署ごとに管理していたため全社共通の情報にはなっていなかったのです。
また、教育委員会の活動がはじまると、私は経営陣から、全社員のスキル情報や教育に関するデータの集計と報告を求められるようになります。この作業が、非常に手間のかかるものでした。
ーどのような点に作業の手間がかかっていましたか?
原田:当社には3つの工場と10箇所の営業所があり、合わせると50の部署が存在します。従業員数は約600名。私はその全員のスキルに関する情報を、紙とエクセルベースで収集する必要がありました。
スキルマップの作成・運用は各部署に任されていたため、フォーマットや表現の仕方などはバラバラ。そのうえ各部署のデータをよく比較してみると、ほぼ同じスキルについて異なる表現で記録されているケースが多々ありました。そのため、正確な情報を精査し、集計する作業には、丸々一週間を費やさざるを得ませんでした。
当初、この集計作業は1年に1回だけ実施していましたが、半期に1回、四半期に1回と集計を行うタイミングが増えていきました。現状の手作業では、あまりに負担が大きいため、システムの導入を検討しはじめました。
作業は10分の1に。スキル情報と教育の記録をまとめて管理できるように
ーシステムを導入を検討するにあたり、どのように検討が進んだのでしょうか?
原田:当社では、スキルマップを全社で統一し、そのデータと教育の記録に関する情報を紐づけて管理したいと考えていました。しかしなかなか、両方をカバーするシステムは見つかりませんでした。
そんな中、当社で使用していたスキルマップに、作り方や表現が非常に良く似た「Skillnote」を紹介されたのです。現場からも「エクセルをそのままシステム化できそうだ」と期待する声がありました。
当時はまだ、当社が望む教育の機能は実装されていませんでしたが、現場での運用のイメージがしやすかったこともあり導入を決定しました。導入が進むにつれ、教育管理に関する機能も充実していきました。
ー「Skillnote」の導入によって、どんな成果がありましたか?
原田:システムを導入するにあたり、これまで各部署バラバラだったスキル体系や、スキルの文言の表現を統一、共通のシステムで全社のスキル情報を管理できるようになったため、正確なスキル名称を精査する時間もなくなりました。情報の整理や集計、資料づくりに1週間もかけていたところ、作業時間は10分の1まで減りました。
というよりも、そもそも経営陣から「データを集計してほしい」と依頼が来ること自体が少なくなっています。わざわざ資料にまとめなくても、会議の場で「Skillnote」の画面を見ながら、必要な情報を提示すれば済むようになりました。
可視化されたスキル情報を、人事考課や社員のさらなる成長に活用
ー今後「Skillnote」をどのように活用したいとお考えですか?将来的な展望も合わせてお聞かせください。
原田:今後は、全社員のスキル情報を人事や労務にも繋げていきたいと思っています。すでに取組んではいますが、強化していきたいことの一つに、人事ローテーションの実施があります。
これまで当社は、一つの部署で同じ領域の専門技術を磨いていくことを推奨していたため、部署を異動する人は多くありませんでした。スキル情報を活用した人事ローテーションが、社員の成長につながる機会になればと考えています。