機械要素部品大手のTHK、国内7工場にスキルマネジメントシステム「Skillnote」を導入

国内・海外の拠点間の人財育成や人員配置にスキルデータを活用へ

 製造業のスキルマネジメントを牽引する株式会社Skillnote(本社 東京都千代田区、代表取締役 山川隆史、以下 Skillnote)は、THK 株式会社(本社 東京都港区、代表取締役社長 寺町崇史、以下 THK)がクラウド型スキルマネジメントシステム「Skillnote」を導入したことを発表します。今回の「Skillnote」導入は、2023年9月に導入した試験研究部門に加え、THKの生産を担う国内7工場を対象としています。スキルや資格、経験などのデータを一元化し、技術伝承や多能工化を中心とした人財育成と応援対応や人財交流を中心とした人員配置の両面活用していく予定です。また、今後は国内だけではなく、海外への展開も検討しています。

 THKは、「世にない新しいものを提案し、世に新しい風を吹き込み、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、独創的な発想と独自の技術により産業機器や輸送機器向けの機械要素部品や、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge」、ロボットシステムなど、幅広い事業を展開しています。特に、世界で初めて直線運動部のころがり化を実用化した主力製品LMガイドは、世界シェアトップを誇り、世界中の幅広い産業で利用されています。

「Skillnote」は、従業員の力量情報*を活用した計画的な人材育成と最適配置を実現するスキルマネジメントシステムです。従業員のスキル情報を軸に教育情報(OJTや研修の計画、履歴)および資格情報を連動させた一元管理により、組織的な人材戦略の策定と個人に最適化した育成計画の立案、進捗管理を実現します。
*「力量」とは、個々の業務に必要なスキル(技能)、知識、資格、経験等の能力のことを指す。

「Skillnote」導入の背景

 今回「Skillnote」を導入した生産部門では、三つの重要課題に取り組んでいます。一つは、当社の成長を支えてきた団塊世代から若手への技術伝承、もう一つは多様なお客様のニーズに応える製品生産を担う多能工の育成です。さらに、THKはグローバル展開を推進し、日本・米州・欧州・中国・アジア他において現地での生産・販売を一体化した体制を構築しています。これに伴い、海外拠点で活躍できる人財の育成も重要課題となっています。このような状況下で、従業員一人ひとりの力量を正確に把握し、そのデータを効果的に活用することが不可欠となっていました。
 しかし、従来使っていた人事系システムの仕様上、生産現場に求められる粒度の細かな力量情報を入力できておりませんでした。結果として、各工場が独自のフォーマットや判定基準で運用する事態となっていました。従業員のスキルレベルの判定基準も統一されていないため、同じスキルレベルでも習熟度が異なってしまい、同一製品を製造する工場間での円滑な人員配置や相互支援が困難な状況でした。
 こうした背景から生産部門では、工場間で共通した基準によるスキル管理を行い、スキルデータに基づいた計画的な人財育成と戦略的な人員配置を行うために製造業に特化したスキルマネジメントシステム「Skillnote」の導入を決定しました。

「Skillnote」選定理由

今回、「Skillnote」を選定した理由には、大きく3つのポイントがあげられます。
・製造業の現場で要求されるスキル管理に特化している
技術者や技能者のスキルの評価や記録、分析に特化したシステムである。そのため、粒度の細かな力量情報を一元管理し、視覚的に把握することが容易に可能となった。加えて、従来の人事系システムとも連携したことで、異動や部署名の変更情報などをリアルタイムにスキルマップに反映させることもできるようになった。

・時系列で技術やスキルの喪失リスクを可視化
5年後、10年後といった中長期的な視点で、組織全体の技術・スキルの喪失リスクを可視化できるようになった。これにより、重要度に応じた優先順位付けが可能となり、計画的な技術伝承を実現することができます。

・国内や海外の拠点を横断したスキルの一元化・可視化による人財育成・人員配置
各生産拠点において、統一された基準とフォーマットでスキル管理を実施することで、工場間の連携が期待できる。具体的には、多能工化、技術伝承、人財交流など、従来は個別に実施していた人財マネジメントをより戦略的に展開できるようになると考えている。更に、THKが展開するOEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge」の部品予兆検知AIソリューションやメンテナンス統合管理システムとも連携することで、例えば設備の異常を検知したら、スキルデータを元に最適な人財がレコメンドされ、システム上で保全業務をアサインすることもできるようになる。

※連携イメージ

OMNIedge 公式WEBサイト:https://www.thk.com/brand/omniedge/jp

生産技術統括部 安全衛生・環境・技術育成管理部 部長 岩本 無天様のコメント

「THKは創業から50年以上の歴史を重ねる中で、大きな転換期を迎えています。会社を支えてきた団塊世代の退職が進む一方、製品用途は産業機械から医療機器、半導体、ロボットへと多様化しています。さらに、カーボンニュートラルへの対応も求められ、これらの環境変化に即応できる柔軟な生産体制の構築が不可欠となっています。こうした課題への取り組みは、日本に留まらずグローバルな規模で推進する必要があります。その中核を担うのが、現場で働く人財です。具体的な課題として、技術・技能の確実な伝承と共有、部門間の効果的な連携、海外赴任者への充実したサポートなどが挙げられます。
今回のSkillnoteの導入によるスキルや資格、教育情報の一元化とそのデータ活用はその根幹となると期待しています。今後はSkillnoteを活用して、従業員のスキルの可視化を進め、まずは技術伝承や多能工化、人財交流などに取り組んでいきたいと考えています。また、従業員のスキル習得に対する適切なフィードバックを行い、本人の意欲やモチベーションの向上につながればと考えています。それが組織の活性化を実現し、結果的に品質や競争力の向上、製造コストの低減につながると期待しています。」

スキルマネジメントシステム「Skillnote」について

 「Skillnote」は、製造業において従来Excel等で管理されてきたスキルマップ(力量管理表)を一元的に管理・運用することのできるクラウドサービスです。現場のスキル/教育データがクラウドに登録され見える化が進むことで、スキルデータを活用した計画的な人材育成・人材配置を実現し、技能伝承、多能工育成、即戦力化といったものづくり企業の人材管理に関する課題解決に貢献します。

THK株式会社について

会社名:THK株式会社
所在地:東京都港区芝浦二丁目12番10号
設 立:1971年4月
資本金:346億600万円
代表者:代表取締役会長CEO 寺町 彰博
    代表取締役社長COO 寺町 崇史
事業内容:THKは、独創的な発想と独自の技術により、世界に先駆けて直線運動部のころがり化を実現し、「LMガイド(Linear Motion Guide)」を開発しました。このLMガイドは、メカトロニクス産業に不可欠な機械要素部品として様々な産業に使われています。そのほか「ボールスプライン」、「ボールねじ」、「アクチュエータ」、「リンクボールをはじめとする自動車部品」などの機械要素部品を開発、生産し世界へ供給しています。
HP:https://www.thk.com/jp/ja/

株式会社Skillnoteについて

「つくる人が、いきる世界へ」というビジョンのもとに、ものづくりにおける人の成長を科学し、ものづくりに関わる全ての人がいきいきと働く社会の実現を目指しています。
会社名:株式会社Skillnote
所在地:東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE
設立:2016年1月
資本金:9億2,476万円(資本準備金を含む)
代表者:山川 隆史
事業内容:製造業にフォーカスしたスキルマネジメントシステム「Skillnote」の提供
HP:https://www.skillnote.jp/

*本プレスリリースに記載されている会社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。
*本プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。

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